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脱水促進工法

高含水比対応浚渫用凝集剤を用いた脱水促進工法について

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脱水促進工法(高含水浚渫泥土の脱水処理技術)

目的
脱水促進工法は、浚渫工事に伴い発生する浚渫泥土の脱水期間を短縮するための脱水促進工法です。
湖沼や河川、海域等から浚渫される泥土は、一般に埋立地で長時間に亘る自然脱水が行われています。
しかし、自然状態では乾燥が進まず、泥土の利用にあたっては土質改良等の処理が必要とされています。
このため、自然脱水期間を短縮し、かつコスト縮減を図ることが可能な技術の開発が求められています。

平成10年より要素技術の開発を進め、室内実験および現地水槽実験により、その改良効果が確認できた。
平成11年には霞ヶ浦において実証実験を実施し、十分実用的な成果を得ることができました。

適用範囲
脱水促進工法は、高含水浚渫土をスラリー輸送する場合に脱水促進工法を用いて、土性を改善する場合に適用します。
標準的な適用範囲は含水比で、800%〜1500%を目安にしています。対象土性や成分によりこの値は変化します。
送泥中の管内の乱流状態を利用して混合するため、低含水比ではその混合効率が低下するため、所要の効果を出すのが困難です。

工法の概要
脱水促進工法は、図1に示すように通常の浚渫工において高含水浚渫泥土をスラリー輸送する際、
排砂管の内部に有機凝集剤(A剤)と無機凝集剤(C剤)を注入、管内の乱流状態を利用して混合します。
処理された泥土(処理土)は疎水性に優れて、容易に脱水が可能となる。
なお、脱水は底面排水により行うため、処理ヤードにはサンドマット等を敷設します。
処理土は数ヶ月間天日乾燥を行うことにより、ダンプトラックに山積みが可能な程度に土性が改善され、泥土の有効利用が図れます。

dehydration01.jpg

脱水促進工法の概要

また、そのメカニズムは図2に示すように、浚渫泥土中の土粒子にA剤を添加することによりポリマー
の長い繊維が土粒子に絡み付き、浚渫泥土中に含まれている自由水を取り込んで凝集物となる。
さらにC剤を添加することにより団粒構造化を促進し、自由水の分離を促進し、疎水性に優れた凝集物(フロック)を形成する。
なお、脱水促進工法で使用する材料は、自然環境に無害なものであることが公的機関により証明されている。

dehydration02.jpg
排砂管内の浚渫泥土の変化

工法の特徴
脱水促進工法の特徴として以下の点が挙げられる。
初期脱水の促進 スラリー中の微細な土粒子が、大きなフロックを形成するため、固液分離が促進され初期脱水が極めて早い。
天日乾燥期間の短縮 泥面の露出が早いことやフロックの優れた疎水性により、天日乾燥期間が短縮できる。
また、降雨により表面が冠水することなく速やかに底面から排水される。
強度発現の促進 処理土の含水比の低下が早くなること、また注入した凝集剤により、フロックの強度が向上し、処理土の強度発現が促進される
清澄な脱水余水の水質 泥土中の微細な懸濁物質を捕捉するため、脱水余水の水質は極めて清澄である。
貯泥量の増大 初期脱水が極めて早いため、貯泥量の増大が可能となる。
処理土の施工性 ダンプトラックによる運搬の前後で処理土の性状変化が見られず、また処分場での重機の施工性は良好である。
低コストの処理費 脱水促進剤の使用により、天日乾燥期間が短縮されるとともに強度発現が促進されるため早期に搬出が可能となる。
また、搬出のための固化処理が不要となるため、低コストで処理することができる。


凝集剤の反応過程(電子顕微鏡にて)

dasui04.jpg <原泥>

茨城県霞ヶ浦浚渫土
含水比:1200%

dasui04.jpg <処理土>
HS−916混合攪拌
含水比:1200%

特徴
水分子と土粒子をつなぎ大きなフロックを形成する。

dasui04.jpg <処理土>
HS−916混合後にMA−30混合攪拌

特徴:
先に形成された多きなフロックをさらに凝集させ、水分子の自由水を発生して、さらに強度のある凝集されたフロックとなる。


無処理土と処理土の脱水イメージ図

無処理 天日乾燥新疎水剤による脱水工法
dasui07.jpg 無処理は脱水性が悪く、天日乾燥では表面だけが乾燥して、深い層はなかなか乾燥しない。
固化処理をするのが一般的な方法とされている。
dasui09.jpg 処理土の疎水性(固液分離)が高く初期の脱水がよい。
dasui08.jpg 無処理は脱水性が悪く、天日乾燥では表面だけが乾燥して、深い層はなかなか乾燥しない。
ヤード内に重機を入れて固化処理をするのが一般的な方法とされている。
dasui10.jpg 釜場排水や底面脱水等を行えば疎水性が高い処理土なので容易に脱水できる。
しかも凝集反応している処理土からの余水は、容易に排出基準(場所により異なる)に近い排水ができる。


実際の浚渫現場による処理土の脱水例

平成11年度の浚渫現場において、その脱水性を確認した。
対象場所:茨城県霞ヶ浦高崎沖浚渫工事(15,000m3)
含泥率:55%±5(含水比換算およそ800〜1000%)
凝集剤:ハードソイル(HS-916)およびMA-30<2液式>
添加量:HS-916(0.05%)・MA-30(0.15%)浚渫土の重量あたり
dasui11.jpg 平成12年4月21日撮影
浚渫1日後の写真
天候は前日から雨天が続いていた
浚渫直後から処理土は大きく強いフロックを形成するので、浚渫土は処理ヤード内で勾配ができ上水が低いところへ溜まる。
このヤードは底面にドレーンを設置してあり、下方向からの脱水をするようになっている。SS(10)およびPH(6.5〜8.6)ともに基準値をクリアーしていた。
dasui12.jpg 平成12年4月27日
浚渫終了2日後の写真
前日は雨天・当日曇り

普通の浚渫土と違い脱水性がいいので浚渫中の休止期間が短くなり浚渫効率が上げられる。
この現場では年1回浚渫を2回にしている。

dasui13.jpg 平成12年5月12日
浚渫終了17日後の写真
前日は雨天・当日曇り

上水は7日で底面からのドレーンで脱水が終わり当日までに表層はかなり乾いている。
7日目の上水も、水質基準値をクリアーしている。
泥面の高さも低くなりクラックも入っている。

dasui14.jpg 平成12年5月12日撮影
浚渫終了後17日目

写真左側は、砂層を30cm敷き、そこにドレーンを入れたサンドフィルターによる脱水方法。
写真右側は、ドレーンを入れた脱水方法。

dasui15.jpg 平成12年5月12日
浚渫終了後17日目

透水係数のいい砂によるサンドフィルターを使用しているので、脱水性もよく乾燥の進み具合も反対側に比べてかなり良いのがわかる。


実際の浚渫現場による処理土の脱水例2

平成13・14・15年度 東洋建設北陸支店
対象場所:福井県北潟湖浚渫工事(5,000m3
含泥率:10%±5
凝集剤:ハードソイル(HS-916)およびMA-30<2液式>
添加量:HS-916(0.01%)・MA-30(0.03%)浚渫土の重量あたり
dasui16.jpg 北潟湖で使用した浚渫船

含泥率10%で送泥

dasui17.jpg 浚渫中の排砂管出口
dasui18.jpg 浚渫直後の排砂管出口よりひしゃくにて採取した送泥処理土。
フロックがしっかり凝集して水との分離がはっきり確認できる
dasui19.jpg 浚渫直後のヤード出口からの余水排水の状況。
(SS8未満・ph6.8〜7.4)

本工法に変更後、ヤードの排水状態が向上出来たので、浚渫船の稼働率が上がった。


実際の浚渫現場による処理土の脱水例3
自動添加無線制御システムによる浚渫土の脱水

脱水促進工法の陸上作業である薬剤最適添加管理を各種センサーと連動した自動制御システムを開発しました。
これは、送泥(流量および比重)にあわせて最適な薬剤添加を自動運転するトータルシステムです。
このシステムにより従来、陸上作業員の行ってきた作業等(薬注ポンプの電源のON・OFF、薬注量の最適管理、薬注ポンプのインバータ設定、薬注量発注管理、送泥量管理、緊急時の運転停止)を事務所内のパソコン(制御装置)により簡単に行うことを可能にしました。

平成14年度 東洋建設霞ヶ浦作業所
平成15年度 株木建設高崎作業所
対象場所:茨城県霞ヶ浦高崎沖浚渫工事(30,000m3
含泥率:50%±5
凝集剤:ハードソイル(HS-916)およびMA-30<2液式>
添加量:HS-916(0.01%)・MA-30(0.03%)浚渫土の重量あたり
ガンマ線密度計 ガンマ線密度計
電磁流量計 電磁流量計
伝送装置 電送装置
送受信装置 送受信装置
最適添加量自動制御システム 最適添加量自動制御システム
ハードソイル無線自動添加装置 ハードソイル無線自動添加装置
スタティックミキサ スタティックミキサ
MA-30無線自動添加装置 MA-30無線自動添加装置
スタティックミキサ スタティックミキサ
排砂管 排砂管
排泥状態 排泥状態
排泥直後の反応状態 排泥直後の反応状態
底面排水状況 送泥直後の底面排水状況
送泥1日後 送泥1日後の状態
浚渫4週間後 浚渫4週間後
浚渫6週間後 浚渫6週間後

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