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ビーチマネジメントシステム(BMS)工法の概要


ビーチマネジメントシステム(BMS)は1981年(昭和56年)にデンマークで開発されたもので、従来の砂浜侵食抑止工法のように構造物によって波力や沿岸流を制御するものではなく、海岸の汀線付近の表層に不飽和域を作り、打ち寄せる波によって運ばれてきた漂砂を不飽和域地表面に取り込むことによって砂浜の侵食防上、あるいは増殖を図る工法です。
波は海岸にに打ち寄せる際に砂浜の表面に砂を運び、引く時に砂を持ち去ります。
波が穏やかである(周期が長く、海水量が少ない)時は、砂浜は打ち寄せる波に対して十分に波(海水)を吸水する余裕があります。
この時、引き返す波(海水)が少なくなるので、砂を海岸に置いていき、砂浜は増植されます。
一方、波が荒い(周期が短く、海水量が多い)時は、波(海水)が砂浜に吸取される間もなく、次の波が押し寄せてきます。
砂浜は常に飽和状態となり、海水は吸収されにくく、更に砂は海水の浮力を受け軽くなり、波が引く際大量の砂を持ち上げます。
この時砂浜は侵食されてしまいます。
ビーチマネジメントシステム(BMS)は、この自然の原理を利用して、図のように汀線下に透水性の集水管を理設して、表層の海水を自然に集水管に集めることにより、不飽和域を拡大させ、定常的に打ち寄せる波(海水)を砂浜表層に吸収させることで、漂砂を付着させ、砂浜の増殖を図ります。



ビーチマネジメントシステム(BMS)の特徴

海岸の景観
施設の全てを地下に埋設することから、自然景観が損なわれません。
周囲の自然環境
自然な状態で海水を集水し、徐々に砂を付けるので生態系に影響を与えません。
集水した海水の利用
システムで集水した海水はクリーンで、水族館、海水プール、海洋療法、海水淡水化事業等で利用できます。
砂浜の維持管理
システムの運転、停止により砂浜の維持管理が出来ます。
低コストでの防止対策
建設費は既存の侵食防止対策より低コストです。また施設設置後はポンプの運転費が主たる費用です。
*ビーチマネジメントシステム工法は、10社で共同研究を実施しております。

ビーチマネジメントステム(BMS)施設一覧(平成11年1月現在)

わが国には1992年(平成4年)に導入されて以来まだ2件しか実績はありませんが、海外においては
下記のような実績があり、いずれも高い、評価を得ています。


所在地国名設置理由集水管延長設置年度稼働期間測定結果備考
ヒルサルス・ウエストデンマーク・ユトランド生島海水(フィルター処理済)の必要性220m1981稼動中前浜幅25m拡大25,000m3/年の採砂が侵食海岸養浜用に使用
ヒルサルス・イーストデンマーク年間7m侵食200m19938ヶ月海岸線維持シルト含む微粒砂底質
トルスミンデデンマーク年間4m侵食500m19856年浜幅25m拡大実用規模試験
セイルフィッシュポイントアメリカ・フロリダ州年間4.5m侵食180m1988稼働中浜幅20〜35m拡大
エノーストランドデンマーク・シェフンド島年間0.5m侵食・養浜年間6,000m3600m1994稼働中前浜幅4〜5m拡大・1995年6月測定
トーワンベイイギリス海岸侵食と護岸洗掘180m19949月稼働開始前浜0.5m上昇運転開始2週間後、約7,000着砂
ナンタケットアイランドアメリカ・マサチューセッツ州海岸と崖海侵食360m199412月稼働開始増殖傾向米軍工兵隊研究・調査対象プロジェクト
ナンタケットアイランドアメリカ・マサチューセッツ州海岸と海崖侵食714m199412月稼働開始海岸線安定同上
茅ヶ崎海岸日本・神奈川県海岸侵食132m1994稼動中計測中
一松海岸日本・千葉県海岸侵食200m1998稼動中計測中

日本特許第1713864号 特許願平成10年145402号

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